Light My Candle

by RENT

髑髏城の七人season風 

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舞台「髑髏城の七人season風 」

期間:2017/09/05〜2017/11/03 

場所:IHIステージアラウンド東京

座席表:http://www.tbs.co.jp/stagearound/theater/img/stagearound_seat.png

 

 

ついに観劇できた髑髏城!

1990年から歴代様々なキャストさんたちで演じられてきましたが、実は私は一度も観たことが無く、ついに観ることができました。

観て思ったのは、なんで花鳥観なかったんだろう、ということ。今見なきゃ後悔する舞台でした!

なんかもう、すごい!(語彙力)

やっぱり劇団新感線たのしい!

 

ネタバレ含む感想は↓から 

 

 

 ■キャスト

まず、松山ケンイチさん演じる捨乃介と天魔王。

捨天演じてた松ケンさんの演技力に脱帽。舐めてました。天が表れた瞬間、本当に捨と同一人物が演じているの?と自分の目と耳を疑いました。演じ分けに脱帽。

特に声色があんなに変わる方なんだな、と。映画やTVでは観たことがあったのですが、生で演技を見たのは初めてで、こんなにすごいのか、といい意味で裏切られましたね。

今回奇跡的に10列センブロで観劇できたので、全体を俯瞰してみることができたのですが、もっと前でかぶりついてみたくなった理由の1つにこの人の演じ分けをもっと近くで見たいと思ったのがあります。

飄々としていて世捨て人なのに情に厚く涙もろい。どこか達観しているのに執着を捨てられない。松ケンさんの捨は、いい江戸っ子でしたねえ。

 

次に向井理さん演じる無界屋蘭兵衛。

表情の微細とか感情が揺れるとことか、向井さんの蘭は特に表現が細かかった気がします。それだけ繊細な役だったってことが伝わってきたけど顔が小さすぎて遠くじゃわからない!笑 伝わるものは確かにあるけど、絶対後ろは判りづらい。10列目で見られて良かったです。最前ドセンでみたい……笑

あの人を慕って時を止めていた彼が動き出す様は本当に美しかったです。1度目の口づけでそれまでの蘭兵衛からの表情から蘭丸に戻ったかのようにぐらっと揺れて、夢見酒を口移しで飲まされて恍惚となる。あの1シーンはたまらなく美しくて、白い着物に滴る赤に見惚れました。

 

橋本じゅんさんの 贋鉄斎は、変態(笑)もうド変態(笑)あんなに変態なのになんでか親しみを感じさせるというか、嫌いになれないコミカルなキャラクターはじゅんさんだから生み出せるんだろうなーと。他の方の贋鉄斎はどんな人柄なんでしょう(笑)

 

総じてキャスト大変だったんだろうな、と思いました。特にアンサンブル。運動量すごい。単純に360度ステージがあるわけで、場面転換があるたびに裏で走ってるわけで。裏側どうなっているんでしょう……壮絶なんだろうな……

 

■演出/美術/ステージ

何と言っても視覚効果がすごかった。回る客席ってことはステージは360度だからいろんなシーンが出てくるんだろうな、と考えてはいたんですが、あんな風にステージとキャストが動きながら話が進んでいき、尚且つ場面転換が暗転なしで進むという。

100人斬りのシーンは圧巻でした。場面転換がスムーズだからいい意味で映画を見ているようなんですよね。舞台にあるべくしてある(ないわけにはいかない)暗転がスクリーンを使ってうまく表現されているので、本当に場面転換がうまかった。

 

OPはタイトルロゴが霧状の雨に照射されていたんですが、光と影の効果が凄く綺麗だった。ここから物語が始まるんだなー!ってぐっと引き込まれるようでした。プロジェクションマッピングとも上手く融合していて、使い方はさすがにうまいですね。360度の舞台、ここからもっといろんな作品に昇華して行って欲しいなと思いました(2020年に一度潰すって聞いたのが本当だとしたら勿体ないなと思います)

個人的にカーテンコール回っているときに見えた非常口がちょっと面白かったです(笑)お客さんには見せないところだけど、カテコではみせてくれるんだなって。

 

一面の白い曼珠沙華のシーン。

蘭の話にまたなってしまうんですが、満開の曼珠沙華と白い着物に赤い横笛。本当にここはどこ!?舞台見てるんだよね!?と衝撃。語彙力無くす美しさだった。なんだろう。あの空間。絵画的だった。映像美。だんだんと血に染まる曼珠沙華を照明で表していてすごく効果的だった

だからかその後の殺陣が少し残念で。あーもっと殺陣が速かったらなーー速くないにしろ、もう少し、うーん綺麗だったらなあ(笑) って思ってしまったのがうーん。ごめんなさい。うごき一つ一つは丁寧なので、きっと千秋楽にはもっと体に馴染んで美しい殺陣になっているのではないでしょうか。期待。今後の活躍も期待。

 

雨や水(小川)を使ったシーン。

舞台上で水を使うのはままある(のか?雨にうたえばくらいしか出てこないんですが)んでしょうけれど、小川の中で殺陣を行うことによって水しぶきが当然あがり、躍動感が伝わってきて美しかったなと思います。照明がね、水に当たって光るんだけど、鎧は黒光りしていて、この差も綺麗だったなー。

 

■次回シリーズ

月は上弦にしても下弦にしてもキャストが全体的に若いな、と感じるのでそれはそれで楽しみです。制作発表にもあったように、若気の至り、若さを全面的に押し出した舞台になるのでしょうし、花鳥風月本当に全部色の違う舞台をだしてくれるのだなあ、と期待しています。

極も期待…どうなるんだ…(笑)